「私には糸リフトが何本必要ですか?」
カウンセリングで非常によくいただく質問です。
結論からいうと、糸リフトの適切な本数は一人ひとり異なります。
年齢だけでなく、たるみの程度や脂肪量、骨格、皮膚の状態、希望する仕上がりなどによって必要な本数が変わるためです。
この記事では、糸リフトでは何本程度必要になることが多いのか、本数を決める際に医師がどこを見ているのかを、糸リフト専門クリニック SAI CLINIC(サイクリニック)のサイ院長が解説します。
糸リフトは何本必要?本数の目安
SAI CLINICでは、糸リフトを受けられる方の約80%が、左右合わせて10〜16本程度の範囲に収まります。
ただし、「糸リフトは○本入れれば十分」という決まりがあるわけではありません。
皮下脂肪のボリュームが大きく重たい方、皮膚が薄くヨレやすい方、ほうれい線だけでなくアゴ下のたるみなど改善したい部位が多い方などは、必要な本数が増えることもあります。
反対に、大切なのは「多く入れること」ではなく、その方にとって必要な本数を見極めることです。
必要以上に20本、30本と増やせばよいわけでもなければ、本来必要な本数より減らせばよいわけでもありません。
では、糸リフトの本数はどのように決まるのでしょうか。
糸リフトの本数はどうやって決まる?

糸リフトの適切な本数を考える際には、単に年齢だけを見るわけではありません。
お顔の状態や骨格、脂肪のつき方、皮膚の状態、左右差、希望する仕上がりなどを確認しながら、一人ひとりに合わせて糸の種類・本数・デザインを調整することが大切です。
実際にカウンセリングで確認している項目を解説します。
①たるみの程度

まず確認するのが、どの部分が、どの程度たるんでいるのかです。
同じ「フェイスラインのたるみ」が気になる方でも、皮下脂肪の重みによって下がっているケースもあれば、加齢に伴う皮膚の厚みや弾力性の変化、脂肪の減少や移動などが複合的に影響しているケースもあります。
特に年齢を重ねるほど、たるみだけでなく骨の痩せも関わるため、糸リフトだけですべての変化を改善しようとすると無理が生じるケースもあります。
大切なのは、まず「何が原因で、どのような変化が起きているのか」を診察し、そのうえで糸リフトが適しているのか、どのような治療を組み合わせるのかを判断することです。
一般的にたるみが強くなるほど、必要な本数も増えます。
例えば、皮膚の弾力性が低下してたるみが出ている場合は、少ない本数だと糸と糸の間の距離があるため、皮膚がヨレたり凹凸になってしまいます。
一方、皮下脂肪のボリュームが大きいせいでたるみが出ている場合は、少ない本数だと重みに耐えきれず、すぐに元に戻ってしまいます。
若い方で脂肪の重みで下がっている場合は、脂肪吸引や脂肪溶解注射などのボリュームを減らす治療の併用が望ましいです。
このように、たるみに応じた適切な本数が必要になります。
また、引き上げたい部位や面積が広くなるほど、必要な本数も増えます。
例えば、フェイスラインだけでなく口横のポニョも、マリオネットラインも、ほうれい線も、アゴ下も引き上げたいという風に、引き上げたい部位が増えるほど必要な本数は増えます。
②脂肪の量・つき方

糸リフトでは、皮下脂肪の量によって適した糸や本数が変わります。
皮下脂肪のボリュームが多く、脂肪の重みによって下がっている方の場合、その重みに耐えながら引き上げた状態を維持する必要があります。
そのため、引っ掛かりのよい大きめのコグ(トゲ)がついた太めの糸などを選び、本数も多めに必要になる場合があります。
一方、皮下脂肪が少ない方に大きなコグの糸を使用すると、引きつれや筋状の凹凸が生じやすくなります。そのため、小さなコグが多くついた糸などを選択します。
つまり、単純に「○本入れる」と考えるのではなく、何を、どの糸で、どのように動かすのかまで考えることが重要です。
③骨格・顔の形

同じ年齢、同じ本数でも、すべての方に同じデザインが適しているわけではありません。
例えば、頬がコケている方の場合、凹みに対して平行に糸を入れるとかえって頬のコケが目立ってしまうことがあります。
このような場合には、凹みに対して垂直方向に糸をデザインし、たるみによって生じた「凸」の部分を頬コケの「凹」へ移動させるように設計することで、たるみと頬コケの両方にアプローチできる場合があります。
また、お顔には誰にでも左右差があります。
左右差が目立つ場合には、左右で使用する糸の種類・本数・挿入方向を変えることもあります。
「左右○本ずつ」と機械的に決めるのではなく、お顔全体のバランスを見ながら調整することが大切です。
④皮膚の厚み・状態

皮膚の厚みや弾力性も、本数を決めるポイントのひとつです。
皮膚にある程度の厚みがある方は、比較的少ない本数でも、引きつれやヨレを抑えながら面として引き上げやすい傾向があります。
一方、皮膚が薄い方や弾力性が低下している方の場合、太い糸を少ない本数だけ使用すると、引きつれやヨレなどが生じる可能性があります。
そのため、細めの糸を複数使用し、面全体で支えるように引き上げるなど、お肌の状態に合わせた調整が必要です。
⑤どこまで変化を希望するか

糸リフトでどの程度の変化を希望しているのかも、本数やデザインを決めるうえで重要です。
「できるだけしっかり変化を出したい」という方もいれば、「周囲には気づかれない程度に自然に整えたい」という方もいます。
同じお顔の状態でも、患者様が理想とする仕上がりによって治療のゴールは異なります。
そのため、SAI CLINICではお顔の状態だけでなく、「どこを、どのくらい変えたいのか」までカウンセリングで確認し、一人ひとりに合わせて治療プランを考えています。
年代によって糸リフトの必要本数は変わる?
20〜30代に多い傾向

20〜30代では、比較的皮膚の弾力性が保たれている一方、皮下脂肪の重みや、過度なダイエットによる脂肪の減少、エラボトックスなどによる筋肉量の変化によって、余った皮膚が下がっているケースがあります。
この年代では、たるみが比較的垂直方向に現れるケースがあり、元の輪郭へ戻すような方向を意識してデザインします。
一般的なお顔立ちの20~30代のフェイスライン場合、8~12本程度が適切な本数です。
若くても皮膚が薄い、皮下脂肪のボリュームが多い、しっかりした変化を希望される方ほど、必要な本数は増える傾向にあります。
ただし、使用する糸の種類はこの2タイプで異なります。皮膚が薄い方には細い糸を、皮下脂肪のボリュームが多い方には太目の糸を選択します。
糸の太さは、術後の違和感や痛み、リフトアップ力に関係します。
40〜50代に多い傾向

40〜50代になると、皮膚の厚みや弾力性の低下、頬のボリューム減少などが重なり、ほうれい線や口横のマリオネットラインなどが目立ちやすくなります。
この場合、糸リフトだけで強く引っ張るのではなく、必要に応じて皮膚やボリュームへのアプローチも組み合わせながら、全体のバランスを整えることが重要です。
40〜50代の場合、日々のお手入れや日常生活、栄養摂取、予防治療の有無、紫外線への暴露などによって、たるみ具合の差が開いてくる年代でもあります。
したがって必要な本数もバラつきがありますが、およそ10~16本程度が一つの目安だと思ってください。
60代以降に多い傾向

60代以降になると、皮膚の厚みや弾力性の低下に加えて、骨の痩せも影響します。
たるみによる組織の移動量も大きくなるため、単純に「本数を増やして強く引き上げればよい」というわけではありません。
むしろ引き上げすぎることで、希望する仕上がりとのミスマッチや皮膚の折れ込みなどが起こりやすくなるため、どこまでを糸リフトで改善し、どこから別の治療を組み合わせるのかという判断も重要になります。
60代以降の方に必要な本数は12~18本程度です。
皮膚は薄くて柔らかく、弾力性が低下しているため、本数が少ない場合は容易に引き攣れを起こします。
お肌の状態によってはまず肌育治療を行い、皮膚の厚みや弾力性を改善させてから糸リフトを行う場合もあります。
また基本的には糸リフトではボリュームロスは改善できないので、その場合はまずヒアルロン酸注入などの「ボリューム治療」を併用して土台を作り、その上で糸リフトを行うことでバランスの良い美しい輪郭に仕上げることができます。
糸リフトは本数が多いほど効果が高い?

糸リフトは、本数を増やせば増やすほど、きれいに仕上がる治療ではありません。
大切なのは「何本入れたか」ではなく、その方のお顔に必要な場所へ、適切な種類の糸を、適切な方向に入れられているかです。
そのため、本来10〜16本程度で十分な方に20本、30本と必要以上の本数を提案することが、必ずしも良い治療とは限りません。
「あなたには30本必要です」など、本数を理由に必要以上のアップセルを行うケースには注意が必要です。
一方で、必要な本数より少なければよいわけでもありません。
私が以前大手美容クリニックに勤務していた頃には、お顔の状態から「12本必要」と判断しても、ご予算の関係から8本や10本へ減らして施術するケースが実際にありました。
少ない本数でもできる限り良い仕上がりを目指して施術するものの、本来必要と判断した本数を下回ることで、十分な引き上げ効果が得られなかったり、効果が早めに失われやすくなったりしてしまいます。
つまり、糸リフトの本数は
「多ければ多いほどいい」でも、「少なければ少ないほどお得」でもありません。
繰り返しになりますが、その方にとって必要な本数を、必要な場所に適切に使用することが重要です。
少ない本数でも糸リフトはできる?

たるみが少ない方、皮膚に厚みと弾力性がある方ほど、少ない本数でも引き上げることが可能です。
例えば、ニキビが出来てごわついた男性の皮膚をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
極端な話ですが、こうした「厚くて硬い」皮膚の場合、少ない本数でも皮膚がヨレたり、引き攣れは起こりにくいため、片側3本ずつ(左右で6本)でも十分に引き上げ可能です。
しかし、よほど意識して肌育をされて来られた方でない限りそのような肌状態の方は少ないです。
ですから、片側3本などと極端に少ないと、ヨレや引き攣れの原因になりますのでご注意いただきたいです。
お肌の状態やたるみの具合によって最適な本数は異なりますので、カウンセリングでしっかりとあなたのお肌を見て、触って確認してくれる医師に依頼しましょう。
糸リフトの料金は「1本あたり」だけで比較しない

糸リフトを検討するとき、「1本○円」という価格を見てクリニックを比較する方も多いのではないでしょうか。
しかし、本当に確認したいのは1本あたりの価格だけではなく、「自分に必要な種類の糸を、必要な本数を入れた場合、総額はいくらになるのか」です。
例えば、本来12本必要な方が「費用を抑えたいから8本にする」という選択をすると、料金は安くなっても、希望する仕上がりに必要な本数が不足してしまう可能性があります。
一方で、必要以上に本数を増やし、料金が高くなってしまうのも望ましいことではありません。
カウンセリングでは、
「自分には何本必要なのか」
「なぜその本数なのか」
「その本数を入れた場合、総額はいくらになるのか」
まで確認しておくことをおすすめします。
本数が必要な方には「入れ放題」という選択肢も
SAI CLINICでは、必要な本数やご希望に合わせて選択できるよう、1本ごとの料金に加えて「入れ放題プラン」もご用意しています。
特に10本、12本、16本…とある程度の本数が必要な場合、1本ずつ追加していくよりも、入れ放題プランの方が費用を抑えられるケースが多いです。
SAI CLINICの入れ放題プラン「SAI LIFT TRY」 比較表
| 糸の本数 | 1本(19,000円) の場合 | 入れ放題プラン の場合 | どちらがお得? |
|---|---|---|---|
| 6本 | 114,000円 | 190,000円 | 1本ずつ |
| 8本 | 152,000円 | 190,000円 | 1本ずつ |
| 10本 | 190,000円 | 190,000円 (1本あたり19,000円) | 入れ放題 (追加料金なしで本数追加が可能なため) |
| 12本 | 228,000円 | 190,000円 (1本あたり15,833円) | 入れ放題 |
| 14本 | 266,000円 | 190,000円 (1本あたり13,571円) | 入れ放題 |
| 16本 | 304,000円 | 190,000円 (1本あたり11,875円) | 入れ放題 |
入れ放題のメリットは、単に「たくさん入れられるからお得」ということだけではありません。
1本ごとの料金設定では、施術中に医師が「あと1本追加した方が、よりバランスよく仕上げられる」と判断しても、契約本数を超えてしまうのでその場で追加することが難しい場合があります。
一方、入れ放題であれば、施術中のお顔の状態を見ながら、必要と判断した場合に本数を追加できるというメリットがあります。
「入れ放題=必要以上に糸を入れること」ではありません
もちろん、糸リフト入れ放題だからといって、必要以上に本数を増やすわけではありません。
大切なのは「何本入れたか」ではなく「理想とする仕上がりになったか」です。
お顔の状態を診察し、必要な糸の種類・本数・挿入する位置や方向を判断したうえで、その方に必要な糸の種類・本数を使用します。
「○本まで入れられるから、できるだけ多く入れる」のではなく、患者様にも施術をする私にとっても、妥協せず美しい仕上がりにするためのプランなのです。
糸リフトの本数についてカウンセリングで確認したいこと

カウンセリングで「○本必要です」と言われたら、本数だけを聞いて終わりにするのではなく、「なぜ私にはその本数が必要なのですか?」と聞いてみることをおすすめします。
例えば、
・なぜこの本数が必要なのか
・どの部分を、どのように引き上げるのか
・なぜこの種類の糸を使うのか
・本数を減らした場合、仕上がりにどのような違いが出るのか
・必要本数を入れた場合の総額はいくらなのか
などを確認してみましょう。
一人ひとりのお顔を診察したうえで、その本数を提案する理由をきちんと説明してもらえるかも、医師を選ぶ際のひとつの判断材料になります。
まとめ|糸リフトの適切な本数は一人ひとり異なる

糸リフトには、「○本入れれば正解」という本数はありません。
当院では10〜16本程度になる方が多いものの、実際の必要本数は、たるみの程度、脂肪の量やつき方、骨格、皮膚の厚み・弾力性、希望する仕上がりなどによって異なります。
大切なのは、本数を多くすることでも、できるだけ少なくすることでもありません。
お顔の状態をきちんと診察し、「なぜこの本数が必要なのか」を考えたうえで、一人ひとりに適した糸の種類・本数・デザインを選ぶことが重要です。
また、糸リフトを検討する際は「1本○円」という価格だけでなく、必要本数を入れた場合の総額も比較してみましょう。
SAI CLINICでは、1本ごとの料金と入れ放題プランをご用意しています。
「自分には何本必要?」
「1本ずつと入れ放題、どちらが合っている?」
「できるだけ自然に引き上げたい」
どんなご要望も、まずは無料のカウンセリングでお気軽にご相談ください。
このページの監修医

崔 煌植(さい こうしょく)
SAI CLINIC 院長
経歴
- 三重大学医学部 卒業
- 済生会千里病院形成外科・皮膚科・内科 勤務
- 湘南美容クリニック神戸院 院長
- AND美容外科心斎橋院 院長
- 美容クリニック技術指導医
- サイ先生の糸リフト塾 代表
- 化粧品imini 監修医
- SAI CLINIC 院長
資格・所属学会
- 日本糸リフト協会(JTLA)
- 日本美容外科学会(JSAS)
- 韓国美容外科医学会(KAAS)
- 日本オーソモレキュラー医学会(JSOM)
- 日本メンズヘルス医学会(JSMH)
- アラガン・ボトックスビスタ認定医
- アラガン・ジュビダームビスタ認定医
- 日本救急医学会ICLSインストラクター認定医

